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東京・赤坂の中国人クラブなど複数店舗が、泥酔した客のクレジットカードで多額の代金を不正に請求するなどした疑いが強まり、警視庁赤坂署が窃盗容疑で、クラブの系列の複数店舗を家宅捜索していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。被害総額は2億円近くに上るとみられ、同署はクラブの責任者などから事情聴取し、全容解明を進める。

捜索を受けたのは赤坂の中国人クラブと韓国人クラブ数店舗で、系列とみられる。

捜査関係者によると、これらのクラブは無断で泥酔客のクレジットカードを使い、1回につき数十万~100万円近くの飲食をしたと偽り、決済していた疑いが持たれている。短時間で、通常では消費しきれない量の酒の注文がされていたという。

被害客はいずれも泥酔して記憶が曖昧なことから、同署はクラブ側が無理に飲酒させた昏(こん)睡(すい)強盗の疑いもあるとみている。

クラブの利用客から、クレジットカードで身に覚えのない請求があるとの相談が相次ぎ、被害が発覚。同署が調べを進めたところ、少なくとも10人以上が被害に遭っていることが確認された。クレジットカードの請求状況などから、被害者は延べ100人以上に上る可能性もある。

防犯カメラの解析などから、客に多額の飲食費を請求していた店舗に客が入店していなかった例も確認。被害発覚を遅らせるため、入店したのとは別の店舗で客のクレジットカードを決済する偽装工作をしていたとみられる。

クラブの周辺では泥酔して路上に寝込んだ客が救急搬送される事例が相次いでいた。大半の客は赤坂周辺の別の店で飲んだ後、路上で執(しつ)拗(よう)な客引き行為を受けて、クラブに引き入れられていたという。

http://www.sankei.com/affairs/news/141026/afr1410260003-n1.html