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元弁護士の男性は座り慣れた弁護人の席ではなく、裁判官の正面に立っていました。
3月19日。大阪地裁の法廷で、懲役4年6月の実刑判決を言い渡されました。

複数の依頼人のお金約5200万円を使い込んだ業務上横領罪に問われていました。
41歳の若さです。自分の事務所を構えるエリート弁護士に何があったのでしょうか。

韓国籍の元弁護士は在日コリアンの役に立ちたいと弁護士を志したと言います。
大学を卒業した後、アルバイトをしながら司法試験の勉強をしました。

努力が実り、難関を突破しました。2000年に大阪弁護士会に登録しました。04年に大阪・ミナミに
事務所を開きます。雇われる側の「イソ弁」から、雇う側の「ボス弁」になったのです。
仕事は次々と舞い込み、経営は順調でした。ただ、お金の使い方も派手になります。

検察側によると、毎年約8000万円の売り上げがありましたが、海外のカジノや
高級クラブで豪遊しました。遊んだ金を経費として処理したことが税務署にばれました。

約3000万円もの追徴課税をされました。それでも浪費をやめませんでした。
リスクが高いFXにも、のめり込みました。事務所の職員や妻がお金の使い方を見直すよう
警告しましたが、プライドが高くて聞く耳を持ちませんでした。そして、依頼人のお金に
手をつけるようになりました。

2月5日の被告人質問では、これまでに誇らしく思った仕事を述懐しました。
入管職員からの暴行を訴えるウガンダ人の国家賠償請求訴訟や大型投資詐欺事件の
被害者弁護団への参加です。在日コリアンのために無料の法律相談もしていました。
報酬を気にせずに手がけた案件ばかりでした。

元弁護士は控訴しましたが、判決時点で被害者に返せたのは923万円だけです。
2100万円を失い、思い出がたくさん詰まった自宅の売却を強いられたという被害者は
こう述べています。

「家族が働き詰めで貯金した大切な財産でした。地獄の苦しみを味わっています」
ひまわりのデザインが「自由と正義」を表す弁護士バッジ。この記章のために苦学した頃を
思い出して、すべてを償ってほしいと思います。
CAcZyJQU0AA0AXJ

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20150406ddlk27040248000c.html