ニセ日本製品や日本食モドキが氾濫している中国だが、最近、日本人になりすます中国人が増えている。
昨年12月22日付の「東方網」によると、ある女が海南省にある軍事基地に侵入した。警察によって逮捕された際、この女は日本語でなぜか「ありがとう」と繰り返し、自らが日本人であることを装っていたというが、実際は中国籍であることが確認されている。
さらに、昨年4月には上海市内の鉄道駅で、日本人であることを自称し「代わりに列車の切符を購入してほしい」と駅の利用者に声をかけ、その料金を偽札で支払っていた中国人の男女2人組が逮捕されている。2人は春節以降、約2カ月にわたって同様の手口で犯行に及び、だまし取った切符を換金。数十万円相当の現金を不正に得ていたとみられている。
広東省で不動産会社を経営する日本人男性(36歳)も、日本人なりすましの例について話す。
「賃貸マンションの中国人の借り主が、日本の偽造パスポートを大家に提示して契約を結んでいたという例は、よく聞く話です。反日感情もくすぶる中国ですが、それでもなお、自国民より日本人のほうが信頼される。日本人だと言えば、いろいろな場面で条件が良くなることも確かに多いので、気持ちはわかりますが……」
中国人が日本人をかたる事件は、国外でも起きている。
犯行が行われたバンコク市内の宝石店の店内
「新華網」(12月26日付)によると、先日タイの首都バンコクの宝石店で、客の女が手に取って見ていた6カラットのダイヤモンド(約3,800万円相当)を突然飲み込んで盗もうとして逮捕された。この女は警察に連行される際に、日本語で「お詫び申し上げます」と泣き叫びながら、自分が日本人であると主張。しかし、所持していたパスポートから、中国人であることが判明している。
女の体内のX線、上部に石と思われる白い影が映っている
ちなみに、この話には続きがある。警察は逮捕後、女の腹部を病院でX線にかけたところ、確かにダイヤモンドのような形の影が確認された。しかし実は、ダイヤモンドはX線に対しては透過性で、映らないはずなのだ。その後の捜査で、この宝石店ではダイヤモンドと偽りただの石を販売していたことがわかり、結局、店の関係者まで逮捕されることとなったという。女は日本人を名乗ったことで、逆にナメられたか!?
(文=青山大樹)
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