2013.6.26 21:50
大阪で性犯罪が止まらない。今年に入ってから大阪府警が認知した強制わいせつ事件は今月9日に500件を突破した。過去最高だった昨年を約10日上回るペースで、このままいけば4年連続で全国最悪になる可能性が高い。府警は昨年から、性犯罪の抑止対策に力を入れているが、目に見えた効果が表れないのが実情だ。府警幹部は「ひったくり以上に、性犯罪の街と呼ばれるほど不名誉なことはない。何とか減少させたい」と危機感を募らせている。
強制わいせつは、服の上から体に触れる痴漢と違い、下着の中に手を入れて直接肌を触るといった悪質な性犯罪。18~21年は東京の発生件数が最多だったが、22年以降、大阪がワーストになっている。
過去最多の1251件だった昨年は暖かくなる4月から増え始め、6月の152件をピークに、10月まで毎月100件を超える発生が続いた。今年は5月に入ってから増加傾向が見え始め、前年同月より18・4%増の122件になった。
強姦事件(未遂含む)も前年を大きく上回るペースで推移している。5月末までの認知件数は前年の45件から5割増の69件に達しており、このうち15件は、路上などでいきなり車に連れ込まれ、監禁されるという極めて悪質な犯行だった。
府警は平成23年の組織改編時に、殺人事件などの凶悪犯を取り扱う捜査1課の人員を約70人増員。このうち30人を性犯罪捜査にあてるなど対策を強化し、多数の連続犯を逮捕している。
また、24年からは、街頭犯罪対策の重点目標に強制わいせつを追加。防犯面からも抑止を図っているが、ひったくりなど他の犯罪と違って減少傾向に転じる気配はない。
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