振り込め詐欺などの特殊詐欺事件で、日本語がほとんど話せない外国人がキャッシュカードなどを受け取る役目の「受け子」をしている事件が確認されたことが、警視庁への取材で分かった。警察官や自治体職員などをかたる場合、外国人が来たら不審に思われるはずだが、コロナ禍に便乗し一言も話さないという新手の手口が外国人受け子を可能にした。背景には摘発されるリスクの高い受け子の「人材不足」が影響し、外国人まで〝リクルート〟せざるを得ない事情もあるようだ。
コロナで会話せず
「口座から現金が引き出されています」。2月24日午前、埼玉県所沢市の80代女性宅に郵便局員をかたる男から電話があった。その後、女性のもとには埼玉県警の警察署員を名乗る男から「(口座から現金を引き出した)受け子を逮捕した」「キャッシュカードを新しくする必要がある」などと電話がきた。
署員役は女性宅に捜査員を向かわせるとした上で、「コロナですからマスクと手袋を着用させ、一切しゃべることはさせません」と断りを入れた。
その日の昼過ぎ、捜査員を名乗る男が女性宅を訪ねると、男は持っていたスマートフォンのスピーカー機能を使って署員役とつなぎ、女性にカードを封筒に入れるよう指示。女性に印鑑を持ってくるよう求め、そのすきに捜査員役が封筒を別の封筒とすり替えた。
捜査員役がすり替えた封筒を渡した後、電話口の署員役が最後に「26日ごろまで封筒を開けないでください」と指示。捜査員役は一言も発さないまま、女性宅を後にした。
その後、女性が封を開けると、中身は白いプラスチックのカードにすり替えられており、だまされたことに気づき、110番通報した。
https://www.sankei.com/article/20211001-DAZTCILACZPQLMRFXTV3KBFUNI/
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