不法滞在して日本で稼いだ後、密出国しようとしたとして、入管難民法違反(不法出国企図など)に問われた韓国籍の 元閏石被告(42)ら男女5人について、山口地裁下関支部(佐藤建裁判官)は6、7日、元被告ら3人に懲役3年、 執行猶予5年(求刑・懲役3年)、2人に懲役2年6月、執行猶予5年(求刑・懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。
地裁支部は「不法な出入国を手引きする国際的な犯罪組織に依頼し、密出国しようとした悪質な犯罪。日本の入国管理を 無視し、主権を侵害した」と指摘。その上で「反省している」と、執行猶予をつけた。
5人を手助けしたとして、入管難民法違反ほう助などに問われた韓国籍の徐得漢被告(57)は懲役1年(求刑・懲役1年6月) の実刑判決を受けた。
一連の公判で、韓国人の不法就労の一端が明らかになった。
判決などによると、元被告は2003年、有効な旅券を持たずに入国し、山梨県で貴金属加工の仕事に就いた。「韓国で貴金属 販売業に失敗した。以前に日本で働いたことがあり、韓国より稼ぎが良かったので来た」と供述。約1000万円を稼ぎ借金を 返済したという。
残る4人も01~10年に入国し、埼玉県や横浜市などでかばん製造の工員やホステスとして働いた。5人のうち4人は、 それ以前にも日本に不法滞在して強制送還された経験を持つが、「それでも日本で働きたい」と戻っていた。
だが「高齢の母親から『会いたい、帰ってきて』と言われた」(元被告)などと、5人は帰国を考え、韓国人の密航ブローカー らに連絡し、手引きを依頼。料金は1人当たり約70万~140万円で、船で出国する計画だった。
徐被告はブローカーから約50万円の報酬を約束され、準備を進めた。密出国に適した小さな港として、下関市豊浦町の 小串漁港を選び、出国者が泊まるホテルを偽名で予約していた。
5人は5月11日、北九州市のホテルに集合し、徐被告が借りたレンタカーに乗って港へ移動。しかし韓国当局から情報提供を 受けて警戒していた県警捜査員に見つかった。今後、5人は強制送還される予定。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130808-OYT1T00451.htm
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