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国宝を含む国の重要文化財が、各地で所在不明になっていることが、NHKの取材で明らかになりました。 その数は全国で76点に上り、文化財保護法で義務づけられた届け出をせずに重要文化財が無断で売買されていることから、文化庁は所在不明の実態について確認を進めることにしています。

国は、歴史上、芸術上、価値の高い文化財が海外に流出することなどを防ぐため、仏像や絵画、刀剣など1万点余りを、重要文化財に指定しています。 NHKが全国の都道府県に調査をしたところ、国宝1点を含む76点の重要文化財が、本来の所有者の手元になく所在不明になっていることが明らかになりました。 文化財保護法では、重要文化財の所有者が変更になった場合は、新たな所有者が文化庁に届け出なければなりませんが、国宝の刀剣「短刀銘来国光名物有楽来国光」は、静岡県の所有者が死亡したあと、届け出のないまま親族に譲渡され、そこから借金の担保として売買されていたことが分かりました。 さらに、滋賀県の大岡寺が所有していた「木造千手観音立像」と「木造阿弥陀如来立像」も、寺の関係者が持ち出したあと第三者に売り渡されているなど、物品を特定できた41点のうち、少なくとも10点が文化財保護法に義務づけられた届け出をせず無断で売買されていました。 このほか、盗難の被害届が出されているものが、27点ありました。 専門家は、美術品として仏像などの価値が高まっている一方で、所有する寺院などが経済的に困窮していることが背景にあるとして、対策を強化する必要性を指摘しています。 こうした事態を重く見て、文化庁は、都道府県とともに、所在不明の重要文化財がどれだけあるのか、確認を進めることにしています。

*+*+ NHKニュース +*+*
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131031/k10015696471000.html