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世界自然遺産に登録されている小笠原諸島(東京都)沖に中国船とみられる不審船が押し寄せている。 目的は高級サンゴの密漁とみられ、その数は日を追うごとに増加。 夜間には水平線に不審船の明かりが並び、島の近くまで接近する船もある。 「自分たちの領土で好き勝手にされているのに、見ていることしかできない」。 傍若無人な振る舞いに地元漁業にも影響が出ており、国境の島では不安が広がっている。 今月8日夜、皆既月食を観測しようと母島のヘリポートに集まった島民は息をのんだ。 南の海上に「えらい数」の漁船の明かりが見えたからだ。 小笠原では、集魚灯を使用した漁業は禁止されている。 「夜間だけではない。最近は日中にも目撃されるようになった。かなり広い範囲で堂々としたものだ」 小笠原村議会の佐々木幸美議長は説明する。父島と母島を結ぶ定期船からも、 航路上で日中に10隻ほどの不審船を確認したとの報告があったという。 父島でダイビングショップを営む男性も、不審船を目の当たりにした一人だ。 9月22日、客を連れて訪れた嫁島付近で東の水平線から不審な船が姿を見せた。 5隻、10隻、15隻-。鉄製で中国旗を掲げた船団は、あっという間に20隻程度に膨れあがった。 「中国から小笠原沖まで航行して採算が取れるのはサンゴしか考えられない」 東海大海洋学部の山田吉彦教授(海洋政策)は中国船とみられる船の狙いがサンゴの密漁だと分析する。 日本産のサンゴは品質が良く、中国では高値で取引される。 日本珊瑚(さんご)商工協同組合によると、「宝石サンゴ」とも呼ばれる赤サンゴの卸値は10年で約5倍に上昇。 平成24年の平均取引額は1キロ約150万円で「金より高値で取引されることもある」(同組合)。 20141012180725_1_1
http://www.sankei.com/politics/news/141012/plt1410120003-n1.html