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東京の明治神宮の鳥居などで液体がまかれたような跡が見つかった事件で、防犯カメラの映像などから、中国人の40代の女2人が事件に関わったとして、警視庁は建造物損壊の疑いで2人の逮捕状を取るとともに、全国に指名手配しました。京都や沖縄などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。

この事件は、今月3日から4日にかけて、東京の明治神宮の境内にある南神門や大鳥居などで液体がまかれたような跡が見つかったもので、警視庁は、何者かが故意に液体をかけたと見て、調べを進めていました。

その結果、捜査関係者によりますと、近くの防犯カメラの映像に女2人が液体をかける様子が映っていて、さらに調べを進めたところ、いずれも40代の中国人と確認されたということです。
警視庁はこの2人が事件に関わったとして、建造物損壊の疑いで2人の逮捕状を取りました。
いずれもすでに出国しているということで、警視庁は、再び入国する可能性もあることなどから、全国に指名手配しました。

今月に入って、都内では、徳川将軍家の菩提(ぼだい)寺として知られる増上寺でも液体がまかれたような跡が見つかったことから、警視庁は関連についても調べることにしています。
また、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や、那覇市の首里城などでも同様の被害が確認されているため、各地の警察が関連を捜査することにしています。

各地の被害は

寺や神社などで液体がまかれた跡が見つかった被害は、今月に入って京都、奈良、東京など各地で起きています。

今月1日には、世界遺産に登録されている京都市の下鴨神社や奈良県の金峯山寺で液体がまかれた跡が見つかりました。

翌日の2日から3日には、那覇市にある首里城公園内の守礼門、瑞泉門、漏刻門、万国津梁の鐘の4か所で液体がまかれた跡が見つかりました。

3日には、東京・渋谷区の明治神宮の境内にある門や鳥居など少なくとも4か所で、4日には東京・港区の増上寺でも同様の跡が見つかったほか、6日には大阪・ミナミの法善寺にある石像でも液体がかけられているのが見つかるなど、被害は各地に広がっています。

各地の警察は、何者かが液体を故意にまいた疑いがあると見て、防犯カメラに不審な人物が映っていないかなど捜査を進めています。

寺や神社の文化財などに液体がかけられる被害は、おととしにも全国で相次ぎ、警察庁によりますと、16の都府県の48の寺や神社で被害が確認されたということです。
このうち千葉県内の神社で起きた事件で、警察は、アメリカ在住の日本人医師で宗教団体創立者の男について、建造物損壊の疑いで逮捕状を取り、外務省が旅券の返納を命じています。