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 茨城県内のホテルのエレベーターを故意に停止させたなどとして、警視庁と千葉県警の合同捜査本部は三日、威力業務妨害の疑いで、シンドラーエレベータ(東京都江東区)元社員で韓国籍李雄大容疑者(36)=板橋区若木三=を逮捕した。捜査本部は六月下旬以降、都内や千葉県内の都市再生機構(UR)マンションでも約十件の停止を把握しており関連を調べる。

 逮捕容疑では、シンドラー社で保守管理を担当する社員だった八月二日夜、茨城県つくば市のホテルの同社エレベーター内で安全装置を作動させ、一階と二階の間に非常停止させた上、内部に閉じ込められたように偽装。別の社員に緊急点検させるなどして同社の業務を妨げたとされる。容疑を認めているという。李容疑者は携帯電話でフロントに連絡し、別の社員が来る前に自力で脱出していた。

 国土交通省やシンドラー社によると、李容疑者は六月下旬以降、このホテル以外に都内のURマンションなどで計七回、安全装置を作動させるなどの手口でエレベーターを非常停止させていた。居住者ら計七人が閉じ込められた。捜査本部によると、李容疑者は他にも数件、エレベーターの非常停止に関わっていた疑いがあるという。シンドラー社によると、その後の社内調査で、ホテルでの緊急停止が自作自演と判明。李容疑者は六月に支店長から一般社員に降格されていたといい、調査に「会社を困らせようと思った」と説明していた。同社は八月五日、李容疑者を懲戒解雇し、同月下旬、警視庁に同容疑で刑事告訴していた。